アンティークコインとは?必ず抑えたい7つの知識を解説【価値・種類・売り方】

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アンティークコインとは?

そんな疑問を感じてこのページにたどり着いたあなたに向けて、アンティークコインの基礎知識について解説します。

アンティークコインの定義から、世界中の感度の高い投資家の注目を集めている理由についてまとめます。

さらに、アンティークコイン投資において最初に何をするべきかといった、アンティークコインの門を叩く上で欠かせない知識をご紹介。

資産運用のツールとして富裕層の注目を集めるアンティークコインの世界に、一歩踏み出してみましょう。

アンティークコインとは?
  • アンティークコインとは約100年以上前に製造されたコインのこと
  • 資産、教養、趣味の対象として世界の富豪に愛されている
  • インフレに強く、資産価値が高い

アンティークコインの定義とは

アンティークコインの定義とは

アンティークコインは一般的に、

近代(1900年代初頭)以前に発行・鋳造されたコイン

と定義されています。

もっとシンプルにいえば、約100年以上前に作られたコインのことです。

現在発見されている硬貨の中で世界最古とされているのは、紀元前7世紀(紀元前670年)に小アジア西岸のリディア王国で用いられた「エレクトラム硬貨」。

そこから近代まで、約2700年にもおよぶ歴史のなかで全世界に20万種類ほどのコインが存在すると言われています。

アンティークコインの魅力とは

アンティークコインの魅力とは

世界中に熱狂的なコレクターが存在し、富裕層の間では資産運用手法として親しまれいるアンティークコイン。

日本ではあまり馴染みがありませんでしたが、近年注目度が上昇し、アンティークコイン専門ショップが賑わいを見せています。

どのような点が人々を引きつけるのでしょうか。

アンティークコインの魅力に迫っていきましょう。

アンティークコインの魅力
  • 資産として|投資対象として魅力的
  • 教養として|歴史や政治・偉人の思想(帝王学)に通じる
  • 趣味として|蒐集欲を掻き立て、管理も容易

資産として|投資対象として魅力的

アンティークコイン最大の魅力は、資産性の高さにあります。

平均すると年に125%も価格が上昇していると言われ、とりわけ希少性が高いのものは150%を超すものも存在します。

世界の経済に甚大な影響を与えたリーマンショックの際にも動じることはなく、アンティークコインの資産価値を裏付ける一件となりました

アンティークコイングラフ

引用元:Stanley Gibbons Launch Rare Coin Index Showing 13.3% CAGR

 

イギリスでは退役軍人の年金基金を運用しているヘッジファンドのポートフォリオに、アンティークコインが組み込まれていることが明らかになっています。

金融大国イギリスが、国防における功労者たちの大切な老後資金を運用する対象として、アンティークコインを選んでいるのです。

この事例は、アンティークコインが投資対象としていかに優れているかをわかりやすく表しています。

教養として|歴史や政治・偉人の思想(帝王学)に通じる

アンティークコインは歴史や地理的な要因が価値を大きく左右します。

調査の過程で権力の変遷や文化的背景への理解が深まり、何世代も語り継がれる偉人たちの思想・行動・顛末をインストールできるのです。

このため海外の名家では、帝王学教育の一環としてアンティークコインの収集を取り入れているところもあります。

趣味として|蒐集欲を掻き立て、管理も容易

アンティークコインの選び方は様々。

時代、国、材質、発行シリーズ、モチーフなど、楽しみながら収集できる難易度帯を設定し、自分だけの切り口でコレクションを作り上げることができます。

理想とするコレクションを完成させるには相応の時間と資金が必要ですが、最後の一枚を加えたときの達成感は筆舌に尽くしがたいものがあります。

物体として手元において保管できる点も蒐集欲をくすぐる要素です。

加えて美術品や車、ワインなどに比べ、保管場所や工数、メンテナンスコストが格段に小さいという点も魅力です。


ここまでご紹介してきたアンティークコインの魅力を無理やり一言にまとめると、以下のような投資対象と言えます。

歴史や貨幣経済における知識を深めつつ、

楽しみながら自分の資産をコンパクトに集約させることができる、

管理工数の少ない投資対象

アンティークコインの資産価値が高い理由とは

アンティークコインの資産価値が高い理由とは

アンティークコイン最大の魅力は資産性であり、価格が年々上昇しているのは先ほどご紹介した通りです。

では、なぜこれほどまでの資産価値を有しているのでしょうか。

アンティークコインが単なる骨董品の枠に留まらず、優良な投資対象であると断言できる理由を掘り下げてみましょう。

希少性|価値が高まり続け、インフレヘッジに有効

投資対象とされるアンティークコインのほとんどは、何かを記念して限定的に発行されたものや、使用を避けて継承されてきたもの。

それだけ大切に保管されていても、年月の経過とともに紛失や災害などでその数は徐々に減っていきます。

そのため、希少価値が高まることがあっても、下がることは原則的にありません。

インフレヘッジ(通貨の発行による通貨の相対的な価値低下から資産を回避すること)の対象として優秀なのです。

発見や復刻も無関係

人知れず保管されていた逸品が取引市場に姿を現すことも稀にありますが、希少性に及ぼす影響はごく小さなものです。

基本的に製造記録と流通ルートを元に、想定される現存枚数が算出されています。

市場価格は想定枚数を織り込んだでいるため、価値が希釈化されることは少ないのです。

過去の名品が現代で復刻される場合も同様です。

100年以上前に発行されたオリジナルの希少価値にはなんの影響もありません。

連綿と受け継がれる価値観と美学

アンティークコインは希少価値が担保されている上に、何百年にもわたって形成された揺るぎない価値観によって守られています。

市場を形成しているのは、全く別の価値観と美学を有するアンティークコインコレクターたち。

地金価値を超越した絶対的な買い支えがあるため、大規模な値崩れが起こることはないに等しいのです。

地金価値|為替リスクの低さと換金の容易さ

金や銀などの貴金属の純度が高い(地金タイプ)アンティークコインは、物質としての価値が高い点も特徴です。

円、ドル、ユーロ、ポンドなど法定通貨が内包する為替リスクの影響を受けない実物資産として振る舞います。

株式投資、外貨投資などの金融資産は無価値になる可能性を孕んでいますが、実物資産が0円になることはありません。

また規模を問わず、世界のどこかでアンティークコインのオークションが毎日開催されており、売却して現金化しやすいというメリットもあります。

アンティークコインの収集が盛んなフランスなどのヨーロッパ諸国では、街中の至る所に買取を実施している店舗を見つけることができ、私たちのイメージよりずっと簡単に換金できます。

成長性|情勢の変化による需要の拡大が見込める

中国、ロシア、インド、ブラジルといった新興国の経済発展を背景に、アンティークコイン市場は成長の一途を辿っています。

新興国のコイン愛好家は自国の硬貨を収集する傾向があり、過去10年間に中国やロシアのコイン市場が急騰しています。

今後、インドやブラジルなどのクラシックコインの価値が高まる可能性は大いにあります。

匿名性|大切な資産の逃避先として

1枚に莫大な資産を集約できるアンティークコインですが、その他の資産に比べて匿名性や節税面でのメリットも大きいという特徴があります。

不動産の場合は登記が必要な上に、固定資産税、登録免許税、都市計画税などの税金がかかります。

また、純金取引の場合は支払調書の提出が義務付けられています。

しかし2020年の日本現行法では、アンティークコインにそれらの税金、手続きは発生しません。

注意
アンティークコインによる売却益は課税対象です。

株式取引やFX取引など各投資手法と同様に確定申告の際に申請する必要があります。

アンティークコインの価格・グレードとは

アンティークコインの価格・グレードとは

アンティークコインの価値・価格は様々な要素によって決定します。

それぞれの項目を確認していきましょう。

アンティークコインの価格決定要因
  1. 需給バランス
  2. 保存状態

価格決定要因 1| 需給バランス

まず第一に、需給バランスが考慮されます。

コイン自体の希少性(供給)に対し、手に入れたいと思う人(需要)が多いものほど高額になります。

記念貨幣などのようにそもそもの発行枚数が限られていたり、歴史的な背景によって溶解させられてしまうこともあり、現存数の少ない = 供給の少ないコインは価格が高騰しやすくなります。

記念貨幣とは?
国家的な行事において発行される、流通を目的としない収集家向けの貨幣のこと。

また、影響範囲の広いイベントに際して発行されるコインであるほど、手に入れたいと思う人が多くなります。

さらに、コイン自体の造形がや関わった刻印師によっても需要が大きくなります。

価格決定要因 2|保存状態(グレード)

アンティークコインの価格において、保存状態(グレード)は非常に重要です。

日本では一般的に、「未使用品」「準未使用品」「極美品」「美品」「並品」で評価されています。

欧米では、コレクション用の加工である「PF(Proof)」を筆頭に「UNC(Uncirculated)」「AU(Almost Uncirculated)」「EF(Extra Fine)」「VF(Very Fine)」「F(Fine)」「G(Good)」といったクラス分けがあります。

上記の文字の横に+や-をつける(例:VF+ など)ことで、さらに細かく分類していきます。

スラブ 状態表記 日本語 特徴
PF Proof プルーフ 何らかの目的のために特別仕上げされた品。製造方法を示す言葉でグレーディングとは区別される
MS70 FDC パーフェクト完未使用 流通用として製造されたコインでは発見不可能とも思われるほどの完全な品
67
66 -FDC 完全未使用品 造幣局か製造されたままで通常考えられる傷ひとつ無い品
65 UNC/FDC
64 UNC+
63 UNC 未使用品 表面の輝きは製造時の状態を保ち摩耗もないが、バッグマークなど擦過傷やアタリ傷がわずかにある品
62 -UNC
61 AU/UNC 準未使用品 摩耗はほとんど無いが、多少の流通感がある品
60 AU
AU58 EF+ 極美品 多少の摩耗は見られるが、表面に製造時の輝きを残している品
55 EF
50 -EF
EF45 VF/EF
40 VF+ 美品 摩耗はかなりあるが、細部までシャープに判別できる品
VF35 VF
30 F/VF
20 F+ 並品 かなり摩耗はしているが、年号など特徴は明瞭に見える品
F15 F
12 -F
VG8 VG 劣品 文字や年号まで摩耗しているが、一見して判別可能な品
G4 G 大劣品 文字や年号も摩耗し、経験を積んだ者にしか判別できない品

グレードが並品(F)以下のものは、よほど貴重なコインでなければコレクションから弾く人がほとんどです。

グレードが上がれば、価格も急上昇していきます。

そのコインの流通量によって異なりますが、美品と極美品で約2-3倍、極美品と未使用で約3倍、といったイメージで変動します。

価格決定要因 3|鑑定ギャランティー(格付け機関)による鑑定の有無

アンティークコインの価格を大きく左右する保存状態(グレード)の鑑定には、国際的に認められている第三者機関が用いられます。

真贋を判定し、状態を厳密にランク付けするのです。

以下のレーティング会社が有名です。

代表的なレーディング会社
  • NGC
  • PCGS

レーティング会社で鑑定されたアンティークコインは鑑定書と一緒に、スラブケースと呼ばれるプラスチックケースに収められます。

上記の会社が発行した鑑定書がついた(品質が担保された)アンティークコインは、信頼に足る品として価格が上がりやすい傾向があります。


各レーティング会社の特徴についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

アンティークコイン投資 Private: アンティークコイン投資【絶対に損をしないために必要な知識を網羅】

アンティークコインの種類とは

アンティークコインの種類とは

膨大な種類があるアンティークコイン。

ここではあえてざっくりと2つに分けてみましょう。

  • 存在自体が貴重なアンティークコイン
  • 地金タイプのアンティークコイン

全くもって厳密な分類ではありませんが、考え方の参考にはなるはずです。

それぞれ代表的なものを紹介します。

存在自体が貴重なアンティークコイン:ウナとライオン

ウナとライオンは、イギリスでヴィクトリア女王の即位を期に発行された5ポンド金貨です。

名刻印師ウィリアム・ウィヨン(William Wyon)が1839年にデザインした、アンティークコインの世界で屈指の美しさを誇ると称される逸品です。

ウナとライオン

希少性とデザイン性に裏打ちされた圧倒的な人気によって、価格は今なお上昇を続けています。

2020年5月3日、ウナとライオンのアンティークコインは日本円で約8億6千万円を超える価格で取引され話題になりました。

この一枚のために人生を注ぐコレクターも存在するほどの、世界最高峰の一枚です。

地金タイプのアンティークコイン:ナポレオン金貨

金や銀の含有量が多く、「物としての価値」が高い地金タイプのコインも多く存在します。

地金タイプの額面は金としての価値より低く設定されており、販売時の地金価格、プレミアムと呼ばれる諸経費を上乗せして販売されます。

地金タイプのコインは現代でも各国が発行しており、カナダのメイプルリーフ金貨などが有名です。

アンティークコインの中では19世紀ヨーロッパの金本位制時代に流通していたナポレオン金貨などが有名です。

ナポレオン金貨

ナポレオン金貨は、広義ではフランスがナポレオン1世以降に発行してきたラテン貨幣同盟の規格の金貨すべてを指します。

現存数が多いため、市場価格においては希少価値や歴史的価値よりも地金価値の比重が高くなります。

アンティークコインの注意点(リスク)とは

アンティークコインの注意点(リスク)

アンティークコインを取引する際に注意すべき点についてもいくつか確認しておきましょう。

  • 信頼性を重視し偽物を避ける
  • 長期保有を覚悟する
  • 高騰中の国の通貨は避けるのがベター

信頼性を重視し偽物を避ける

偽物のアンティークコインを掴まないよう、信頼できるディーラーから購入するのがおすすめです。

オークションサイトから購入することもできますが、知識に自信がつくまではおすすめしません。

サイトが独自につけているグレードなどに騙され、質の低い品を買ってしまった、という失敗談も残念ながら少なくありません。

アンティークコインの取引には、第三者鑑定機関やアンティークコインに精通しているプロの存在が重要。

目利きに自信がつくまでは、後ほどご紹介するディーラーから購入するのが得策と言えます。

長期保有を覚悟する

現代的な投資手法(FX・株など)に比べて、保有期間が長いという点にも注意が必要です。

オークションや代理店で購入する際の価格にはディーラーの手数料が上乗せされるため、買ってすぐ売ると手数料分を損することになってしまうのです。

もちろん、先ほど紹介したロシアや中国のように、急激な価格上昇により数年で利益が出るようなケースもあります。

しかし、そのような掘出物を見つけるのは至難の業です。

10年単位の年月をかけ、じっくりと利益確定することを覚悟しておきましょう。

高騰中の国の通貨は避けるのがベター

ロシアや中国のように、高騰中のコインを買い集めるのは得策ではありません。

成熟途上の不安定な相場であるため、この調子がいつまで続くかは不透明です。

イギリス、アメリカなどの歴史とアンティークコイン人口が安定した国から収集を進めるのが、最も安全なルートです。

多少リスクを厭わず面白味を優先したい方は、数年前のロシア・中国のような新興国のコインを対象に仕込みを進めるのも一興です。

アンティークコイン取引の流れとは

アンティークコイン取引の流れとは

今からアンティークコイン投資を始めたいと感じた時、まず何をするべきなのでしょうか。

基本的な流れを確認しましょう。

アンティークコイン取引の流れ
  1. 情報収集
  2. 購入
  3. 保管
  4. 売却
STEP.1
情報収集

まずは何より情報収集が先決です。

カタログや貨幣史実の文献などでコイン自体の知識を深め、購入するコインに当たりをつけるのです。

おすすめの文献

『新・世界貨幣大事典』 著:平木 啓一

新・世界貨幣大事典

古代貨幣から近代貨幣まで、重要性の高いものを網羅、3500項目を収録。

主要諸国の貨幣史を詳細に解説、国ごとにその全体を把握することができる。

歴史が好きな方は自分の興味のある国や、年代を元に選定してもいいでしょう。

アンティークコインにはたくさんの種類があるので、予算に合うものから選べます。

STEP.2
購入
購入方法は以下の3つが一般的です。

  • 販売店
  • オークション
  • ネットオークション

先ほどご紹介した通り、ネットオークションでも比較的簡単に購入することができますが、初心者のうちはリスクが高い方法と言えます。

最初に挑戦するのであれば、プロの話を直接聞くことのできる販売店が確実です。

アンティークコイン専門店をまとめました。

信頼できるアンティークコインディーラーのアシストを受けながら、最初の一枚を手にとってみましょう。

STEP.3
保管
先述の通り、アンティークコインは保管の簡単さも利点の一つ。

購入時に入っているスラブケースのまま、自宅の金庫などに保管しましょう。

極端な高温多湿環境や、銅などの卑金属でできたコインでなければ、問題なく保管できます。

STEP.4
売却
購入と同様の手段で売却することができます。

アンティークコインは国内外問わず、オークションなどを含めて常に安定して取引量されています。

十分に値上がりしたと感じた時や、急に資金が必要になった際などでも比較的容易に売却できます。

この点も、車や美術品などとくらべた際の利点と言えます。

アンティークコインの始め方|まとめ

アンティークコイン取引の流れとは

何世紀もの歴史の息遣いを、手の中で感じることができるアンティークコイン。

非常に高額なものから、手軽に入手できるものまで、価格だけで切り分けても幅広いアンティークコインが存在します。

膨大な知識の海とも言えるアンティークコインの世界。

全てのコレクションは、最初の一枚から始まります。

そして最初の一枚は、実際にその魅力を目の当たりにしてみることから始まります。

実物を目にできる店舗もあります。

先行きの見えない昨今ですが、状況が許すようであれば実際に足を運んでみては。